民法改正 保証契約と公正証書

 

この度は当事務所のホームページをご覧いただき誠にありがとうございます。

「業務日報」のコンテンツでは、日々の業務において気になった事柄等について、簡単にご紹介させていただきたいと思っています。

今回のテーマは「民法改正 保証契約と公正証書」です。本年4月に施行された民法改正に伴い、保証契約を締結する場合、公証役場での手続きが必要になる場合が出てきました。
どのような場合に必要なのか、具体的に見ていきましょう。

 

どんな改正?

 民法が改正されたことにより

事業のためにお金を借りた場合の保証契約又は根保証契約(以下「保証契約等」といいます)の場合
1か月以内に保証人が保証債務を履行する意思を表示した公正証書を作成しないと

当該保証契約は効力が生じないこととなりました。(民法第465条の6)

これは、中小企業などの場合で、保証人が保証責任の内容を十分に認識しないまま、安易に保証契約を締結することを防ぐためにできた規定です。


上記の要件に当てはまる場合、必ず公正証書の作成が必要なの?

ただし、例外があります。概要を申し上げると、

・債務者が法人の場合の取締役等や総株主の議決権の過半数を有する者等や
・主たる債務者が個人の場合、債務者と共同して事業を行う者等

については、適用が除外されることとなっています。(詳細は「民法第465条の9」をご覧ください)

この例外の趣旨としては、中小企業の経営者やこれに準じるような者については、経営状態を把握しているので、安易に保証契約を結ぶようなことも少ないため、公正証書まで作る必要はない、と考えられるためです。

 

 

ところで、私の実務経験においては、金融機関が事業用の融資を行う場合、経営者本人以外の第三者を保証人とする機会はあまり多く見られません。これは、あくまで私見となりますが、平成25年8月に金融庁が定めた「主要行等向けの総合的な監督指針」において、金融機関が経営者以外の第三者の個人連帯保証を求めないよう提言しており、また中小企業庁では、信用保証協会が行う保証について、やはり経営者以外の第三者を保証人とすることを原則禁止しているためと思われます。

そのため、実務上はあまりお目にかかることは多くはないかもしれませんが、万が一この要件に該当する場合、「1か月以内」という期限がある点も含めて、注意が必要となってきそうです。

2020年04月21日